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社長に褒められる事業継続計画(BCP)の取り組み方

事前の準備によって災害レベルは変化する

準備といえば、飲料水や食料、日用品などをイメージをすることでしょう。

しかし、それだけでは半分正解で、もう半分は不正解です。

残りの半分はというと、災害に対しての知識をしっかり入れることと、定期的な避難訓練をしておくことになります。

なぜなら、災害には様々な種類があり、大雨、強風、乾燥、雷などの気象災害と言われているものは、発生する規模とタイミングをある程度予測することができますが、噴火や地震などの災害は突発的に発生するため予測できないからです。

1.事業継続計画(BCP)とは

まず、事業継続計画はBCPとも呼ばれていて、Business continuity planning(ビジネスコンティニュティプランニング)の頭文字を取ったものです。

そして、事業継続計画とは、災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画のことになります。

2.事業家継続計画(BCP)とは具体的にどんな対策なのか

ここ最近、このBCPという言葉をよく目にすることが多いと思いますが、その理由の一つとして、令和3年度介護報酬改定で介護業におけるBCPの策定が義務づけられたことが上げられます。

具体的には、このような対策となっています。

対策内容

1.緊急時用の自家発電装置・蓄電池
2.従業員等の安否確認を行うための通信手段の導入
3.専用のサーバなどによるデータのバックアップ
4.地震対策としての制震
5.免震ラック/飛散防止フィルム/転倒防止装置の設置等
6.災害水害対策用物品設備(土嚢/止水板等)
7.感染症を想定したもの(マスク/消毒液等)
8.緊急時用の従業員用非常食(水/食料/簡易トイレ/毛布/小型の簡易浄水器等の備蓄品)

対策内容をご覧になってもうお気づきかと思いますが、BCPは介護事業所だけに限らず、他業種の中小企業や大手企業にとっても、お客様や従業員、そして事業を守るための重要な対策になります。

この1~8の中で、優先的に準備したいのは、『1.緊急時用の自家発電装置/蓄電池』『2.従業員等の安否確認を行うための通信手段の導入』『7.感染症を想定したもの(マスク/消毒液等)』『8.緊急時用の従業員用非常食(水/食料/簡易トイレ/毛布/小型の簡易浄水器等の備蓄品)』になります。

その理由ですが、『1.2.7.8』は特別な知識がなくても感覚的に理解できるものが多く、比較的簡単に準備ができ非常に高い効果を発揮してくれるからです。

3.災害に備え事前に準備しておく大切なこと

【知る】過去の災害事例から学ぶ

災害には、自分が被災者となる場合と、災害により帰宅できなくなるなど、何かしらの影響を受ける場合の2種類があります。

例として、東日本大震災からの教訓、災害後に必要なものを「被災した場合」と「影響を受けた場合」を過去の統計(自社調べ)から上位5つずつ挙げてみました。

被災した場合に必要なもの

・飲料水/食料
・固定/携帯電話以外の通信手段
・非常用電源/携帯電話のバッテリー
・日用品
・防寒対策

帰宅困難になった場合に必要なもの

・飲料水/食料
・携帯電話以外の通信手段
・非常用電源/携帯電話のバッテリー
・携帯可能なテレビ/ラジオ等
・スニーカーなどの歩きやすい靴

両方に共通している3つのこと

『飲料水・食料』
理由:一斉にお店にある飲料水や食料を購入し始めるうえ、配送ができず商品の補充もされないため商品不足の状態が続く。

『携帯電話以外の通信手段』
理由:安否確認など一斉に携帯電話、固定電話、公衆電話などが使用されるため繋がらなくなる。その他にも、停電や電線・ネット回線の断線し使用できなくなる。

『非常用電源/携帯電話のバッテリー』
理由:停電によって携帯電話などが充電ができなくなったり、その他の照明や電化製品が使えなくなる。

当然、全て準備できている方が良いのですが、全ては難しいという場合は、最低限この3つを準備することを強くおすすめいたします。

【準備】災害に備えて必要なものを準備する

予め購入しておくもの

・飲料水/食料の確保
(従業員×3食分×3日分を準備。被災後の人命救助におけるタイムリミットは72時間と言われている)
・固定/携帯電話以外の通信手段
衛星電話が主流、衛星通信なので断線や輻輳、停電など関係なく外部と連絡が取れる
・非常用電源/携帯電話のバッテリー
大容量のポータブル電源が主流、数日間電気の確保ができる
・日用品の確保
(マスク・消毒液・医療品・簡易トイレ、毛布など)
・災害情報を入手方法
(ラジオ・インターネット・テレビ・伝言板など)

準備といっても、具体的に何を準備するべきなのか悩んでしまうと思いますので、目安を書き出しておきましたので参考にしてみてください。

備蓄の目安

・飲料水:3日分(1日分=3リットル/1人)×従業員数
・食料:3日分(1日分=3食分/1人)×従業員数
・通信手段:衛星電話(各支店+役員分)
・毛布・寝袋:1枚/1人×従業員数
・調理器具:カセットコンロ・燃料(ガスなど)
・救急用品・医薬品:マスク・消毒液・医療品など
・コップ・お皿:ラップを使うと尚良い(3日分×従業員数)
・日用品:ティッシュ、ウェットティッシュなど
・トイレ:簡易トイレ、トイレットペーパー(3日分×従業員数)
・ビニール袋:サイズ別のゴミ袋があると便利
ポータブル電源:携帯電話の充電、照明など(1台×支店数)
・防寒・防暑対策:携帯カイロ、冷却シートなど
・情報収集:ラジオ、テレビなど
・救助道具:ロープ、ヘルメットなど

目安として書きましたが、できれば表示している数より10%~20%多く準備していることが理想的です。

【確認】定期的に避難訓練を行う

避難訓練を行うにあたり、防災担当者を決めておくとスムーズに物事が進みます。

避難訓練の内容

・災害時の避難場所の確認
・避難経路の確認と通路の確保
・消化器・火災探知機・スプリンクラーの位置確認
・従業員の連絡先リスト確認
・従業員の安否確認共有方法
・衛星電話/照明などの動作確認
・飲料水と食料の賞味期限の確認

必要に応じて変化させて訓練を行ってもらえればと思います。

【共有】社内の防災マニュアルを作る

基本的な防災マニュアルの内容

・組織票を作る
(指揮官/総務/情報収集/消化/救護/安否確認など役割を明確にしておきましょう)
・通信手段を決めておく
(共通認識しておくことが大切)
・緊急連絡網の作成
(各支店/役員など全ての連絡先を作成しておく)
・初期の避難/対応
(消防/救急への連絡/重要データや書類の保護/けが人の応急処置/緊急避難場所など)

防災マニュアルを作る時のポイント

・誰が見ても理解できるように5W2Hで考え簡潔にすると作りやすい
5W2H=Why(目的)What(要件)Who(役割)When(スケジュール)Where(場所)How much(分量)How to(方法)

・チェックリストを使う
一目で見てわかるようにし、「はい」「いいえ」ですぐ回答できるようにしておく。

・専門用語の使用はなるべく避ける
担当者以外には、覚えることをできるだけ減らし、めんどくさいことは避ける。
最低限必要なことは、専門用語とその意味を記載しておく。

・情報の更新
実際に避難訓練を行ってみると必要、不必要なことが出てくるので定期的に更新を行うことが大切。
それが避難訓練のマンネリ化を防ぐことにもつながる。

防災マニュアルが上手く作れない時の対処法

・消防署の防災訓練を参考にしてみる
・お付き合いのある企業に聞いてみる
・専門家にアドバイスをもらう

こういったことは少し面倒に感じてしまって、つい後回しにしてしまいがちです。

しかし、1度準備をして仕組化さえしてしまえば、あとは少しづつ更新していくだけでになります。

私共は、防災対策次第で、従業員と会社の未来を大きく変えることができると考えております。

これを機に、万が一の時に備えて、被害の抑止と事業継続計画に取り組み、質の高い防災体制を作り上げていきましょう。

BCP対策についてよくわからない場合は相談してみることが大切

無料で防災アドバイザーがお答えします!

・衛星電話や無線機の違いや仕組み、必要性を知りたい。
・防災用品はどのようなものを、どのくらい準備すればいいのか知りたい。
・そもそも何から取り組めばいいののかわからない。
など、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

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    • この記事を書いた人

    防災アドバイザー

    防災アドバイザー。衛星携帯電話や防災用品の販売・コンサルティングに携わりながら、企業・自治体の災害対策を支援。現場に根ざした視点で「本当に使える防災情報」を発信しています。

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