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はじめに:衛星通信の選択肢が広がる時代へ
地震・台風・豪雨。日本は世界でも有数の「通信途絶リスク」が高い国です。
災害時、最初に失われるのは電気でも水道でもなく、通信。
この現実を踏まえ、全国の企業や自治体が「地上回線に依存しない通信手段」=衛星通信の導入を進めています。
近年は、KDDIやNTTドコモといった大手キャリアが衛星通信サービスを展開し、
加えて「Starlink Mini」などの新型衛星インターネットも登場。
通信の冗長化(バックアップ化)は、もはや一部の大企業だけの話ではありません。
一方で、現場からはこんな声も聞こえてきます。
「導入手続きが複雑で、すぐに使えない」
「1年契約は難しい。1か月だけ使いたい」
「災害時に本当に動作するか、現場で検証したい」
この“現場目線の課題”を埋めているのが、私たちのような現場密着型の衛星通信事業者です。
災害時に「どの通信が生き残るか」は、BCP対策の要です。 下図は、通信インフラを“階層化”したイメージ。 地上通信が止まっても、衛星通信レイヤーを組み込むことで業務継続が可能になります。
大手キャリアの衛星通信:広域カバーと安心のインフラ
まず、大手キャリアが提供する衛星通信サービスの特徴を見てみましょう。
- 全国カバー・安定した通信品質
ドコモ「ワイドスターⅢ」やKDDI「Starlink Direct」は、全国レベルで通信インフラを支える設計。
災害拠点・自治体・官公庁での採用実績も多数あります。 - 高い信頼性とサポート体制
通信設備の保守・障害対応・補償など、信頼の厚いサポートが受けられるのは大手の強みです。
一方で、導入までに時間がかかりやすく、
契約期間が長期に限定されるなど、スピード・柔軟性の面では制約があるのも事実です。
現場密着型モデルが求められる理由
大手が担う「全国規模の通信基盤」に対し、
中小の専門事業者が担うのは「現場で止まらない通信の実装」です。
たとえば:
- 建設現場や測量現場で、一時的にインターネットを確保したい
- 離島・山岳地での調査や撮影で、1週間だけ通信を使いたい
- 災害発生直後、緊急対策本部で即日インターネットを開設したい
こうした“短期かつ現場即応型”のニーズに対応できるのが、
専門事業者による現場密着モデルです。
私たち Business Design Lab(BDL)では、
衛星電話・Starlink Mini・Iridium・Inmarsatといった複数の通信手段を組み合わせ、
「必要な場所で、すぐに使える」 仕組みを提供しています。
大手にはない「柔軟性」と「即応性」
大手キャリアと専門業者では、強みが異なります。
下図は「スピード」と「柔軟性」を軸にした守備範囲マップ。
BDLは“現場の即応力”を武器に、大手のインフラを補完する存在です。
| 比較軸 | 大手キャリア | BDL(専門業者) |
| 契約期間 | 1〜3年が基本 | 1か月単位でレンタル可 |
| 初期コスト | 高め(設置・契約費) | 小規模導入から可能 |
| 対応スピード | 手続き中心で時間がかかる | 最短即日出荷・翌日設置 |
| 提案スタイル | 標準化・汎用的 | 現場課題ベースで個別提案 |
| 導入後サポート | コールセンター対応 | 現場レベルの設定支援・動作確認 |
このように、得意分野がまったく違うのが実情です。
大手が「長期・広域・制度対応」に強いのに対し、
BDLのような専門業者は「短期・現場・即応対応」に特化しています。
「Starlink Mini × 衛星電話」で広がる通信の冗長化
通信途絶を防ぐ“二重構成”が、災害時のBCPを格段に強化します。Starlink Mini の登場により、衛星通信の概念は大きく変わりました。
これまで「衛星=通話」だったものが、「衛星=高速データ通信」に拡張されたのです。
- Starlink Mini:高速データ通信、クラウド利用、映像伝送に強い
- 衛星電話(Inmarsat/Iridium):通話・SMS・低電力運用に強い
この2つを組み合わせることで、
災害時や山間部でも「データ通信+音声通信」を確保する“二重の安心”が実現します。
BDLでは、この「デュアル導入(Starlink+衛星電話)」を
自治体・医療機関・船舶事業者向けにカスタマイズして提供しています。
下図のように、Starlink Mini と衛星電話を組み合わせることで 「データ通信(Starlink)」と「音声通信(衛星電話)」を相互補完。
導入シーン別の最適構成例
「導入が難しい」と思われがちな衛星通信も、BDLなら下図の流れでスムーズ。
導入後のフォローまで一貫して対応するため、BCP体制を確実に強化できます。

【図解:bcp_satellite_communication_flow.png】
| シーン | 推奨構成 | 理由 |
| 建設・測量現場 | Starlink Mini + 衛星電話 | 現場通信+緊急通話両対応 |
| 漁業・船舶 | Inmarsat または Iridium | 防水・移動通信に最適 |
| 自治体・避難所 | Starlink Mini + 衛星電話レンタル | 拠点通信の即時確保 |
| 医療機関 | Starlink Mini 固定設置 | 電子カルテ・VPN用 |
| 防災訓練・展示会 | 短期レンタルプラン | コストを抑えて試験導入可 |
このように、用途別に「どの組み合わせが最も効率的か」を設計できるのが、
専門業者による最大の強みです。
現場のリアルを支える“通信のプロ”
衛星通信は、導入して終わりではありません。
「実際の現場で確実に動くか」「停電時も通信できるか」「誰でも操作できるか」
これを実地で確認し、運用支援まで行うことが本当の価値です。
BDLは、
- 防災事業の現場経験
- 通信端末の技術知識
- 工事・設置・撤去まで一貫対応
という“現場で動かす力”を持っています。
まとめ:大手と競うのではなく、役割で差別化する
BDLは大手キャリアの“競合”ではなく、“共存パートナー”。 下図のように、インフラ+現場+衛星通信が組み合わさることで、どんな災害時でも“通信が途切れない社会”を実現します。大手通信キャリアは「日本の通信基盤」を支える存在です。
BDLのような現場密着型事業者は、
その通信インフラの“最後の1マイル”を確実につなぐ存在です。
大手が「全国を守るインフラ」
BDLは「現場を守る実装チーム」
衛星通信は「導入の規模」ではなく、「使う現場」で選ぶ時代へ。
その橋渡しをするのが、私たちBusiness Design Labの使命です。




