目次
はじめに|「通信が止まる」時代に、つながる企業が生き残る
ー地震、台風、停電、通信障害ー
どれかひとつ起これば、スマートフォンも固定電話も“沈黙”します。
2024年4月の通信障害では、病院・自治体・企業が一斉に連絡不能に陥り、
その後「通信インフラの多重化」への動きが一気に加速しました。
その中核となるのが衛星電話です。
BCP(事業継続計画)を重視する企業ほど、衛星電話を導入し始めています。
衛星電話とは?仕組みと携帯電話との違い
衛星電話は、地上の基地局を使わずに通信衛星と直接交信します。
つまり、基地局が倒れても停電しても、宇宙経由で通話が可能です。
【図解:bcp_satellite_phone_flow.png】
上図のように、地上通信は基地局に依存しますが、衛星電話は宇宙を経由して通信するため、災害時でもつながります。
| 項目 | 一般の携帯電話 | 衛星電話 |
| 通信経路 | 地上の基地局 | 通信衛星(宇宙) |
| 災害時 | 使用不可 | 通話可能 |
| 通話エリア | 都市中心部 | 山・海・離島も対応 |
| 依存リスク | 停電・断線に弱い | 影響を受けない |
つまり、「圏外にならない通信手段」=衛星電話です。
法人が衛星電話を選ぶときの5つのチェックポイント
- 通信安定性:
静止衛星 or 低軌道衛星、どちらのタイプかを確認。 - 通話品質:
遅延やノイズの少なさを重視。 - コストバランス:
端末代・初期費・通信料・維持費をトータルで比較。 - サポート体制:
複数台管理・故障交換・契約サポートの有無。 - 技適マーク:
日本国内で合法的に使用できる認証済み製品を選ぶこと。
【2025年版】法人におすすめの衛星電話3選
① Inmarsat IsatPhone2
通話品質とコストのバランスが最も優れたスタンダードモデル。
- 通信:静止衛星(Inmarsatネットワーク)
- 月額:7,500円〜
- 初期費用:180,000円前後
- 特徴:高い信頼性・法人導入実績多数
- 対応業種:建設、物流、自治体、医療
② Iridium 9555
世界中どこでも通話可能なグローバルモデル。
- 通信:66基の低軌道衛星網
- 月額:9,600円〜
- 耐久性:防水・防塵・耐衝撃(MIL規格)
- 特徴:極地・海外・山岳地でも通信可能
- 対応業種:海運、探査、報道、国際現場
③ Starlink Mini(参考)
音声ではなくデータ通信重視の次世代型。
- 通信:高速衛星インターネット
- 特徴:動画会議・VPN利用が可能
- 注意点:携帯性・電源確保が課題
- 対応:BCP+現場ネット通信補助
導入事例|衛星電話が守った企業の現場
- 建設会社(東京都)
停電中でも衛星電話で連絡が取れ、工期遅延を防止。 - 自治体(中部地方)
災害本部と避難所間の連絡を衛星電話で確保。 - 医療機関(九州地方)
地震による固定回線断絶時、救急搬送連携を維持。
「通信を確保できた企業=業務を止めなかった企業」です。
導入シミュレーション|業種別3パターン
実際の導入イメージをつかむために、業種別のモデルケースを試算しました。
建設業|現場間通信の確保と安全管理
| 項目 | 内容 |
| 想定利用者 | 本社1台、現場監督2台、安全管理者1台、予備1台 |
| 導入機種 | Inmarsat IsatPhone2 |
| 初期費用 | 180,000円 × 5台 = 900,000円(税別) |
| 月額通信費 | 7,500円 × 5台 = 37,500円/月 |
| 年間コスト | 約135万円 |
| 効果 | 通信断絶時も現場連携を維持、BCP監査対応済み。 |
ポイント:防災訓練や緊急時対応マニュアルに組み込む事例多数。
自治体・行政|災害対策本部と避難所の通信維持
| 項目 | 内容 |
| 想定利用者 | 本庁1台、避難所3台、災害本部1台 |
| 導入機種 | IsatPhone2またはIridium9555 |
| 初期費用 | 約900,000円(税別)~ |
| 月額通信費 | 37,500円/月~ |
| 年間コスト | 約135万円~ |
| 効果 | 避難所・災害本部間の指示系統を維持。通信途絶ゼロを実現。 |
ポイント:BCP評価指標「通信多重化」対策として導入多数。
医療機関|停電・断線時の命綱通信
| 項目 | 内容 |
| 想定利用者 | 院長・救急担当医・看護主任・薬剤部・管理課(計5台) |
| 導入機種 | Inmarsat IsatPhone2 |
| 初期費用 | 180,000円 × 5台 = 900,000円(税別) |
| 月額通信費 | 7,500円 × 5台 = 37,500円/月 |
| 年間コスト | 約135万円 |
| 効果 | 外部搬送連絡・医薬品補給要請が即時可能に。 |
ポイント:厚労省「医療BCPガイドライン」準拠対策にも最適。
【図解:bcp_satellite_phone_introduction_flow.png】
上図のように、導入までの流れはシンプルです。お打ち合わせから最短数日で運用開始が可能です。
購入とレンタル、どちらが得か?
衛星電話の導入は「購入」か「レンタル」かで迷う方が多いですが、用途や予算、導入期間によって最適な選択は変わります。
下の図は両者の特徴をわかりやすく比較したものです。
【図解:bcp_satellite_phone_purchase_vs_rental.png】
長期運用を前提とする企業・自治体では「購入」がコスト効率に優れます。
一方で、イベント対応や短期利用なら「レンタル」で初期負担を抑えるのが現実的です。
まずは用途に合わせて検討してみてください。
| 項目 | 購入 | レンタル |
| 初期費用 | 約180,000円 | 0〜6,000円 |
| 月額費用 | 7,500円〜 | 約10,000円〜 |
| 保守管理 | 自社 | 代行業者 |
| 向き | 長期備蓄 | 短期利用・試験導入 |
予算や用途に応じて、「まずはレンタルで試す」 または 「初めから購入して備える」 という選択も可能です。
特にBCP対策として常設運用を想定する場合は、長期的に見て購入の方がコスト効率が高いケースもあります。。
まとめ|「通信を守る」ことは、会社を守ること
災害や通信障害はいつ起きても不思議ではありません。
BCPの最終ラインは“通信の確保”です。
衛星電話は、いざという時の「命綱」であり、社員や顧客を守る“責任の通信”です。
✅ 1台からでも導入可能。
✅ 用途・業種別に最適な機種をご提案します。
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