お役立ちコラム

災害時に“連絡不能”になった企業が最初に失うものとは

結論:最初に失われるのは「売上」でも「設備」でもない

災害時、企業が最初に失うのは
売上でも、設備でも、人材でもありません。

最初に失われるのは「信用」と「判断力」です。

通信が止まった瞬間、現場では次の事態が同時に発生します。

  • 指示が出せない
  • 現場の状況が分からない
  • 取引先・自治体・顧客と連絡が取れない

この状態で本来求められるのは
「正しい判断」「迅速な意思決定」です。

しかし、通信がなければ判断そのものが成立しません。

そして一度失った信用は、
通信が復旧しても、設備が直っても、
簡単には元に戻らない。

これが、災害対応の現実です。


なぜ多くの企業は「通信」でつまずくのか

多くの企業は、
平時に問題なく使えている通信手段を前提
BCP(事業継続計画)を考えています。

  • 携帯電話がある
  • インターネットがある
  • 社内ネットワークがある
  • 予備電源も用意している

一見、十分に見えます。

しかし災害時には、

  • 携帯回線の基地局停止
  • 回線輻輳による通話・通信不能
  • 光・ケーブルの断線
  • 広域停電によるネットワーク停止

同時に発生するケースが珍しくありません。

つまり、
「いつも使っている通信が、一斉に使えなくなる」

この「同時停止リスク」を想定していないことが、
通信対策における最大の弱点です。


通信断は「被害」ではなく「信用失墜」を生む

災害時、取引先や顧客が見ているのは
被害の大きさそのものではありません。

見ているのは、次の3点です。

  • 連絡が取れるか
  • 状況説明があるか
  • 次の見通しを示せるか

たとえ被害が大きくても、
連絡が取れ、説明があり、判断が見える企業
「仕方がない」「信頼できる」と受け取られます。

一方で、

  • 連絡がつかない
  • 情報が出てこない
  • 何も分からない

この状態が続くと、
被害の大小に関係なく不信感だけが残る。

通信断は、
被害を拡大させる装置であり、
信用を削り取る引き金になります。


実際に現場で起きている“通信断の連鎖”

災害・事故・大規模トラブル時、
現場では次の連鎖が起きます。

  • 本部 → 現場に連絡できない
  • 現場 → 状況報告ができない
  • 取引先 → 安否・稼働状況が分からない
  • 顧客 → 連絡がつかず不信感が増幅

この状態で、

  • 「復旧を待つ」
  • 「誰かが何とかする」

という判断は、
責任ある立場ほど許されません。

判断が遅れれば遅れるほど、
被害は“物理的”ではなく
組織的・信用的に拡大していきます。


なぜ非常時ほど「判断が遅れる」のか

災害時に経営判断が遅れる最大の理由は、
情報が集まらないことです。

  • 現場の被害状況が分からない
  • 人員の安否が把握できない
  • 取引先の状況が見えない

この状態では、

  • 動かす
  • 止める
  • 待つ

どの判断も下せません。

結果として、

  • 判断が後手に回る
  • 指示が遅れる
  • 現場が独断で動く

という最悪の連鎖が生まれます。

通信は、
この連鎖を最初に断ち切るための前提条件です。


そこで初めて気づく「通信の冗長化」という考え方

BCP対策で本当に重要なのは、
通信手段を一つに依存しないことです。

  • 携帯回線
  • インターネット
  • 無線
  • 衛星通信

この中で、
地上インフラに依存しないのは衛星通信だけ。

だから災害現場・海上・山間部・孤立地域では、
最後に残る通信手段=衛星電話になります。


衛星電話は「特別な機器」ではない

よくある誤解があります。

「衛星電話は特殊」
「使う場面が限られる」

これは、もう過去の話です。

現在の衛星電話は、

  • 操作は携帯電話とほぼ同じ
  • 専門知識不要
  • 災害・停電・圏外でも使用可能

“使わなかったら無駄”なのではなく、
“使う事態が起きた時に、無い方がリスク”

そういう位置づけの設備です。


Starlinkやモバイル通信だけでは足りない理由

Starlinkやモバイル通信は、非常に優秀です。
平時においては、ほとんど問題ありません。

ただし、

  • 電源が必要
  • 設置場所に制約がある
  • 輻輳・遮蔽物の影響を受ける

完全な代替手段ではありません。

だからこそ、

音声で確実につながる衛星電話を
“最後の保険”として持つ

この組み合わせが、
今の現実的なBCP対策です。


実際に導入が進んでいる企業・組織

  • 建設・土木・インフラ関連
  • 海上・船舶・港湾
  • 自治体・医療・福祉施設
  • 宿泊施設・観光業
  • 災害対応・現場作業がある企業

共通点は一つ。

「通信が止まる=事業が止まる」業種です。


それでも衛星電話を導入しない企業の共通点

正直に言います。

導入していない企業の多くは、
必要性が分からないわけではありません。

  • 今すぐ使う場面が見えない
  • コストが気になる
  • 判断を先送りしている

このどれかです。

しかしBCP対策は、
「必要になってから」では遅い分野です。


2026年、通信対策で後悔しないために

ここまで読んで
「うちは大丈夫だろう」
と思ったなら、それはそれで構いません。

ただし一つだけ。

通信が止まった瞬間に対策を考えるのは、もう遅い。

衛星電話は、

  • 使わない方がいい
  • でも、無いと致命的

そういう“判断の保険”です。


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  • 自社の場合、本当に必要か
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    • この記事を書いた人

    防災アドバイザー

    防災アドバイザー。衛星携帯電話や防災用品の販売・コンサルティングに携わりながら、企業・自治体の災害対策を支援。現場に根ざした視点で「本当に使える防災情報」を発信しています。

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