お役立ちコラム

スマホ衛星通信時代でも「衛星電話」が導入され続ける理由

近年、スマートフォンが衛星と直接通信できる「スマホ衛星通信」が注目されています。

AppleのiPhoneに搭載された「衛星SOS」や、通信会社が進めている「衛星とスマートフォンの直接通信サービス」などのニュースを見て、「もう衛星電話は必要ないのでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし実際には、企業や自治体、海上業務などの現場では、今でも衛星電話の導入が続いています。

その理由はシンプルです。

スマホ衛星通信だけでは、災害時や緊急時の通信手段として十分とは言えないからです。

特に大規模災害では、停電や基地局の停止によって携帯電話の通信が大きく制限されることがあります。そのような状況でも通信を確保する手段として、衛星電話は今も重要な役割を担っています。

この記事では、

  • スマホ衛星通信の仕組み
  • スマホ衛星通信の限界
  • なぜ衛星電話が今も必要とされるのか

について、わかりやすく解説します。


スマホ衛星通信とは?最近注目されている通信技術

まず、スマホ衛星通信とは何かを簡単に説明します。

これは、スマートフォンが通信衛星と直接接続することで通信を行う仕組みです。

通常のスマートフォンは、地上にある基地局を経由して通信を行います。
しかし、山間部や海上、離島など基地局が存在しない場所では、スマートフォンは圏外になってしまいます。

そこで注目されているのが、衛星を利用した通信です。

現在話題になっているサービスとしては、次のようなものがあります。

  • iPhoneの衛星SOS機能
  • StarlinkのDirect to Cell
  • 楽天モバイルが計画している衛星通信サービス

これらの技術によって、これまで圏外だった場所でもスマートフォンから通信できる可能性が広がっています。

登山やアウトドア、海上活動などでは、スマホ衛星通信が安全対策として注目されるケースも増えています。

ただし、この技術にはまだいくつかの制限があります。


スマホ衛星通信の限界

スマホ衛星通信は非常に便利な技術ですが、災害時の通信手段としてはまだ十分とは言えません。

スマートフォンの衛星通信は今後普及していくと考えられていますが、現在のサービスは主にメッセージ通信が中心です。

一方、衛星電話は音声通話を前提に設計された通信機器であり、災害対応や海上通信などの分野で長年利用されてきました。

このため、企業の通信BCPでは

「スマホ衛星通信+衛星電話」

の併用が推奨されるケースも増えています。


音声通話ができないケースが多い

現在のスマホ衛星通信の多くは、緊急メッセージやSMSが中心です。

例えばiPhoneの衛星SOS機能では、緊急時にメッセージを送信することはできますが、通常の電話のように自由に通話できるわけではありません。

災害や事故の現場では、

  • 状況説明
  • 指示の伝達
  • 救助要請

など、リアルタイムの音声通話が必要になるケースが多くあります。

この点で、スマホ衛星通信はまだ十分とは言えないのが現状です。


通信速度が遅い

衛星通信は、地上通信と比べると通信速度が遅くなります。

衛星は高度数百kmから数万kmの位置にあるため、通信の往復にはどうしても時間がかかります。

そのため、スマホ衛星通信ではメッセージ送信に数十秒以上かかる場合もあります。

災害時のように迅速な情報伝達が必要な場面では、この遅延が大きな問題になる可能性があります。


災害時には通信が集中する

もう一つの大きな問題が、通信の集中です。

大規模災害が発生すると、多くの人が一斉に通信を行います。

携帯電話の基地局でも通信制限が発生することがありますが、衛星通信でも同様に通信が集中する可能性があります。

特にスマートフォンは利用者が非常に多いため、災害時には通信が混雑するリスクがあります。


それでも衛星電話が導入され続ける理由

衛星電話は、通信衛星と直接接続することで通話を行います。

携帯電話のように基地局を経由する必要がないため、

  • 山間部
  • 海上
  • 離島
  • 災害現場

など、携帯電話が圏外になる場所でも通信が可能です。

この仕組みにより、衛星電話は災害時の通信手段として重要な役割を果たしています。

こうした背景から、現在でも多くの企業や自治体では衛星電話を導入しています。


どこでも音声通話ができる

衛星電話の最大の特徴は、衛星と直接通信することで音声通話ができることです。

携帯電話のように基地局を必要としないため、

  • 山岳地帯
  • 海上
  • 離島
  • 災害現場

などでも通信が可能です。

これは、災害対応や緊急業務において非常に重要なポイントです。


通信インフラに依存しない

携帯電話は、次のようなインフラに依存しています。

  • 基地局
  • 電力
  • 光回線
  • ネットワーク設備

しかし、大規模災害ではこれらの設備が被害を受ける可能性があります。

一方、衛星電話は衛星と直接通信するため、地上インフラの影響を受けにくいという特徴があります。

このため、災害対策やBCP(事業継続計画)の観点から導入されるケースが増えています。


実際に衛星電話が使われている現場

衛星電話は、通信環境が不安定な場所や災害時の緊急通信として利用されています。

特に自治体の防災拠点や海上業務などでは、重要な通信手段として導入されています。

例えば次のようなケースです。

自治体の防災拠点

災害時の通信確保のため、自治体の防災拠点では衛星電話を備えている場合があります。

医療機関

災害時の医療対応では、通信手段の確保が重要になります。

建設現場

山間部など通信環境が整っていない現場では、衛星電話が利用されることがあります。

海上業務

漁船や遊漁船など、海上では携帯電話が圏外になることが多いため、衛星電話が活用されています。


企業BCP対策として注目される衛星電話

最近では、企業のBCP対策として衛星電話が注目されています。

大規模災害では、通信インフラが同時に停止するケースがあります。

停電や基地局の被害によって携帯電話やインターネットが利用できなくなると、企業や自治体の連絡手段は大きく制限されます。

一方、衛星電話は地上の通信設備に依存しないため、災害時でも通信を確保できる可能性が高いという特徴があります。

そのためBCP対策として衛星電話を導入する企業が増えています。

大規模災害では、

  • 電話がつながらない
  • インターネットが停止する
  • 停電が発生する

といった状況が起こる可能性があります。

そのような状況でも通信手段を確保するため、バックアップ通信として衛星電話を導入する企業が増えています。


まとめ|通信が止まる時代に必要な通信対策

スマートフォンの衛星通信は、今後さらに普及していくと考えられます。

しかし現時点では、災害時や緊急時の通信手段としては十分とは言えません。

そのため、

  • 自治体
  • 企業
  • 海上業務
  • 災害対応

などの現場では、今も衛星電話が重要な通信手段として利用されています。

通信が止まるリスクがある時代だからこそ、バックアップ通信の準備が重要になっています。


衛星電話の導入を検討している方へ

災害対策や通信BCPのために、衛星電話の導入を検討する企業や自治体が増えています。

当社では

  • インマルサット(IsatPhone2)
  • イリジウム

などの衛星電話を取り扱っています。

また、

  • 購入
  • レンタル
  • 導入相談

にも対応しています。

衛星電話について詳しく知りたい方は、
お気軽にお問い合わせください。

    必須ご利用区分

    任意会社名(団体名)

    必須お名前

    必須メールアドレス

    任意電話番号

    必須ご相談内容

    任意ご相談内容(詳細)



    関連情報


    【法人向け】Starlink Miniは高い?導入コストと月額料金を徹底解説|BCP対策・移動現場に最適な通信手段とは

    第1章|はじめに:Starlink Miniは本当に高いのか? 結論:一見するとStarlink Miniは高額に見えるかもしれませんが、法人利用においては十分に納得できる価格設定です。通信の安定性、携帯性、全国対応という特徴があり、業務継続の観点からも非常に有効な選択肢です。 理由・根拠: 本体価格:128,000円(税込) 月額通信費:9,000円〜 月額サポート費:30,000円〜 衛星通信による独立した通信網(災害・圏外でも接続可) 実例:ある建設会社では、Starlink MiniをBCP対策と ...

    海・山・現場で孤立したら?小規模事業者向け衛星電話の選び方【2025年版】

    はじめに 海上、山間部、郊外の建設現場。あなたの仕事場は「電波が弱い場所」ではありませんか? 事故や急病は、たいてい“圏外”で起きます。 そのとき、通信がつながらなかった責任は誰にあるのか。 小規模事業者の場合、その責任はほぼ確実に「事業主個人」に帰ってきます。会社規模の問題ではありません。通信が止まった瞬間、判断と責任はあなたに集中します。 この記事では、 ・なぜ通信対策が必要なのか・スマホや無線では足りない理由・衛星電話導入の判断基準 を整理し、後悔しない選択をするための判断材料を提供します。 なぜ“ ...

    【2025年最新版】Starlink Miniの法人契約ガイド|費用・請求・手続き・BCP活用を完全解説

    「災害時でも通信できる手段がほしい」「現場でもZoomやVPNがつながる環境を整えたい」――。こうした声に応える通信ソリューションとして、近年注目を集めているのが Starlink Mini です。法人からの導入相談が急増しており、その背景には BCP(事業継続計画) や 遠隔現場での通信需要の高まりがあります。 本記事では、Starlink Miniの法人向け導入について、以下のポイントをわかりやすく解説します: なぜ法人に選ばれているのか 法人契約の方法・費用・手続き・支払いについて 個人プランとの違 ...

    BCP完全ガイド:成功と失敗の事例から学ぶ5つの効果的な実施戦略を説明する図。BCPの基本理解、立案手順、実施管理、一般的な課題と解決策、成功事例の分析、失敗事例からの教訓、技術進化の影響、持続可能なビジネスへの移行の役割を含む。BCPの定義、必要性、効果的な立案と運用管理、将来展望と革新的アプローチを総合的に解説。
    BCP完全ガイド:成功と失敗から導き出される5つの効果的実施戦略

    BCP(ビジネス継続計画)の基本理解  1.1. BCPとは何か? - 定義と重要性 BCP(ビジネス継続計画)は、災害や緊急事態において、企業が業務を継続するための計画のことです。 BCPは、事業の中断を最小限に抑え、早期復旧を可能にするために重要。例えば、自然災害が発生した際、事前に計画を立てておくことで企業のダウンタイムを大幅に減らすことができるのです。 過去の事例からいうと、東日本大震災時、BCPを持っていた企業は、そうでない企業に比べて迅速に業務を再開できました。 BCPは、予期せぬ事 ...

    【2025年版】通信サービス終了ラッシュ!MCA・スラーヤ・ワイドスター2終了の真実と次に選ぶべき1台とは?

    1. 相次ぐ通信サービス終了、その背景と影響 1.1 MCA無線(800MHz・アドバンス)はいつ終わる?理由と公式発表 結論:MCA無線サービスは2027年・2029年に段階的に終了予定で、早めの代替手段選定が必須です。 理由や根拠: 総務省・一般社団法人移動無線センターによると、 「800MHz帯デジタルMCA」は2029年5月31日 「MCAアドバンス」は2027年3月31日 にサービス終了予定と公式に発表されています。 システムの老朽化、端末供給停止、修理対応の限界が主な理由です。 実例: 現在M ...

    BCP担当者必見!災害時に“最後までつながる”Iridium 9555の導入メリットと事例

    はじめに 日本は世界有数の「災害大国」です。地震・台風・豪雨などの大規模災害時、携帯電話やインターネットが停止し、「社員や家族の安否確認ができない」「取引先への連絡が取れない」といった問題が繰り返し発生してきました。 事業継続計画(BCP)における最大のリスクは “通信断絶”。本記事では、BCP担当者の方に向けて、災害時でも“最後までつながる”通信手段=Iridium 9555 の導入メリットを解説します。 H2-1. BCPにおける通信手段の重要性 災害時に最優先されるのは以下の3点です。 人命の保護・ ...

    • この記事を書いた人

    防災アドバイザー

    防災アドバイザー。衛星携帯電話や防災用品の販売・コンサルティングに携わりながら、企業・自治体の災害対策を支援。現場に根ざした視点で「本当に使える防災情報」を発信しています。

    -お役立ちコラム